フルートのキーオイル、自分で差してみよう!
カチカチと鳴り出すフルートのキー。月に1回程度の注油が目安と言われますが、「お店のメンテナンスだけで十分」「自分で差すと壊れる」なんて声もあって、どうすればいいか迷いますよね。
でも、毎月楽器店にメンテナンスに出すのは大変です。大切な楽器を長く使うため、そして金属の摩耗を防ぐためにも、自分でキーオイルを差す習慣をつけましょう!
基本の心得3箇条
ご指摘の通り、注意点がいくつかあります。まずはこの3つをしっかり守りましょう。
タンポは絶対に避けること! オイルがタンポに付着すると、タンポが膨張したり硬化したりして、きちんと音孔を塞げなくなってしまいます。作業は慎重に行いましょう。
オイルは「ほんの1滴」で十分。 オイルの役目は金属同士の摩擦を減らすことです。つけすぎるとベタベタになり、逆にホコリや汚れを引き寄せてしまい、キーの動きを鈍くさせる原因になります。
定期的なメンテナンスも忘れずに。 自分でできるケアは大切ですが、楽器全体のバランス調整や細かい修理はプロの仕事です。半年に一度、少なくとも一年に一度は楽器店での点検をおすすめします。
【続き】では、実際にやってみよう!
「理屈はわかったけど、具体的にどこに差せばいいの?」という方のために、簡単な手順をご紹介します。
準備するもの
キーオイル(楽器用。粘度の低いライト〜ミディアムが一般的です)
先の細いオイラー、または爪楊枝やマチ針など
余分なオイルを拭き取るためのクロスやティッシュ
注油の手順
注油ポイントを確認する オイルを差すのは、キーが動く仕組みの「隙間」です。具体的には、キーの筒状になっている部分(キイパイプ)と、それを支えている柱(キイポスト)の間にある、ごくわずかな隙間がターゲットです。
ほんの少しだけオイルを付ける 爪楊枝やマチ針の先に、ほんの少しだけオイルを取ります。オイラーを使う場合も、一滴が完全に出るか出ないかくらいの量で十分です。
そっと隙間にオイルを置く 狙いを定めた隙間に、オイルをそっと「置いてくる」ようなイメージで接触させます。毛細管現象で、オイルがスーッと隙間に入っていきます。
キーを動かして馴染ませる オイルを差したら、そのキーを指で数回パタパタと軽く動かします。こうすることで、オイルが内部に行き渡り、動きが滑らかになります。
余分なオイルを拭き取る もし表面にオイルがはみ出してしまったら、必ずクロスやティッシュで綺麗に拭き取ってください。ホコリが付着する原因になります。
最初は少し怖いかもしれませんが、慣れれば数分で終わる簡単な作業です。この一手間が、あなたのフルートを良い状態で保ち、快適な演奏に繋がります。ぜひ、愛情を込めてメンテナンスしてあげてくださいね。